公開: 2024年3月18日
更新: 2024年7月27日
フランス社会では、初等教育と高等教育で大きく2段階の制度から構成されています。初等教育は、9年制で、基礎的な知識を学びます。特に、フランス語と数学の基礎となる算術などを学びます。高等教育については、政府の高級官僚となるためのグラン・ゼコール、一般企業や教育機関で専門的な職業に従事するための大学教育、そして、一般的な職業に従事するための職業教育に分かれています。
グラン・ゼコールは、専門分野別に設立されていて、技術系、農業系、教育系などに分かれています。初等教育を終えた段階で、試験を受けた生徒の中から、合格した生徒たちが、予備学校に入学して、中等教育を受けます。その人々の中から、最終試験に合格した人々だけが、グラン・ゼコールに入学します。かつては、グラン・ゼコールへ入学する人々のほとんどが、貴族階層の子弟でしたが、最近では、一般市民階層の子弟も入学する例が出ています。
大学への進学を望む人々は、「バカロレア」と呼ばれる高等学校卒業資格試験を受け、合格した人々は、望んだ大学で学ぶことができます。大学から別の大学への移動も簡単で、ある大学で履修した単位は、別の大学でも認められます。この点は、中世からの大学教育の伝統が維持されています。